辨 |
『植物智』は、次のものを Pertya scandens(長花箒菊)のシノニムとする。
Pertya glabrescens, P. glabrescens var. viridis,
P. scandens var. schultziana, P. scandens var. viridis
一方、『改訂新版 日本の野生植物』は、次のように言う、コウヤボウキは「中国に自生するとされたこともあるが,ナガバノコウヤボウキ Pertya
glabrescens と混同されたもので,日本固有である」と。 |
コウヤボウキ属 Pertya(箒菊 zhŏujú 屬)には、日本・臺灣・漢土・タイ・ヒマラヤに約20-30種がある。
P. cordifolia(心葉箒菊) 安徽・江西・湖南産
P. discolor(两色箒菊) 山西・甘肅・寧夏・靑海・四川産
ナガバノコウヤボウキ P. glabrescens(長花箒菊)
カコマハグマ P. × hybrida(P.macrophylla)
センダイハグマ P. × koribana(P.triloba var.koribana)
クルマバハグマ P. rigidula
カシワバハグマ P. robusta
ツクシカシワバハグマ var. kiushiana
コウヤボウキ P. scandens(P.ovata;長花箒菊)
タイワンタマボウキ P. shimozawae(P.scandens var.shimozawae;臺灣箒菊) 臺灣産
イワキハグマ P. × suzukii
ヤミゾハグマ var. yamizoanum
オヤリハグマ P. triloba 本州(関東・東北)産
シマコウヤボウキ P. yakushimensis 屋久島産
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キク科 Asteraceae(菊 jú 科)の植物については、キク科を見よ。 |
訓 |
和名は、「高野山でこの幹枝でほうきを作るのでこの名がある」(『改訂増補 牧野新日本植物圖鑑』。『日本国語大辞典 第二版』略同)。
漢名箒菊は、和名に基づく。 |
説 |
本州(東北南部以南)・四国・九州に分布。
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誌 |
京都伏見の造り酒屋では、酒桶の泡をとるのにこの箒を用いる。 |